亡国のイージス 講談社文庫
福井 晴敏
4062734931

自衛隊のイージス艦を巻き込むテロ計画を巡って、男たちが奔走する本書。

軍事ものの小説というのには、振り返ってみるとこれまでほとんど縁がなくて、
ゲームとかアニメ・映画では、軍事サスペンス的な作品に日常的に接しているのに、
なんで小説に限って手に取って来なかったんだろう、と我ながら不思議にも思ったり。
たぶん、なんとなく、かなーりマニアックな印象があったからなんでしょうけど(^ ^;)、
食わず嫌いというのは良くないなあ、とこの本を読んでみて激しく思ったりです。

巷で言われているように、いささか冗長(特に序盤がきつい)だし、
戯画的な世界観にちょっと、「アニメっぽい…」とか思わないでもないんですが、
細かな表現と、ジェットコースター的な展開力で引っ張る筆力はなかなかのものです。
中盤(上巻の終盤)の盛り上がりがかなり熱いんですけど、
その割には、ラストで期待していたほどの余韻が得られなくて少々残念でした…が、
充分「面白い!」と言ってよい作品でしょう。軍事ものが好きなひとにはオススメー。

この調子なら、氏の「機動戦士ガンダムUC」も期待できそうだな! とも思ったり(^ ^;)
あちらもあちらで、序盤の展開の遅さが気になりますががが。
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