WW2
2009/02/15/10:59 カテゴリ: 本・映像・音楽
このところずっとプレイしていた、
Xbox360の「Brothers in Arms Hell’s Highway」の
オフラインモードをようやくクリアしました。
基本的にオンラインはおまけで、オフ専用ゲームみたいなものなのですが、
それにしてもなかなかのボリュームでお腹いっぱいという感じです。
休日しかプレイしてないとはいえ、一ヶ月近くクリアまでかかりましたし。
そんなわけで、ちょっと僕なりの感想などを。
* * *
・ゲーム性
いわゆるFPSなわけですが、自分自身で戦うというよりも、
部隊を指揮して戦わせる、ということを主眼としたシステムとなっています。
銃の命中率はかなり悪く、照準通りには滅多に飛ばないため、
中〜遠距離で攻撃しても敵は倒せずに、ひるませるだけ、という感じになってるのですが、
その「ひるませる」というのがちゃんとゲームに組み込まれていて、
集中して攻撃することでひるませる→その隙に自分なり別働隊が側面に回り込む→
近距離から手榴弾を投げ込むor十字砲火で殲滅、というのが攻撃のセオリーとなっています。
率いる部隊には機動力に優れていたり、遠距離支援に優れていたり、といった特性があるので、
それを鑑みながら指揮していく、という感じですね。
ちなみに、敵がひるんでない状態で、遮蔽物のない場所を横切るように部隊を進軍させると、
あっという間にやられていってしまうので、わりと頭を使うことになります。
そこをどうにか工夫して攻略していく…そこが面白い!という感じですね。
ただ、基本的にはルーチン的に進軍させていく感じになるので、
どのステージでもゲーム性は変わらず、単調に感じるという面は否定できません。
また、終盤では一部、攻略が難しいステージがあるのですが、
基本的にはそれほど難しいゲームではないので、緊張感や爽快感はあまりないと言えるでしょう。
個人的には、「これ、どうにもならんだろう!でもここから挽回してやる!」くらいに
難しいステージがあると、歯応えがあってもっと面白かったかなー、と思います。
・グラフィック
2008年発売のタイトルとしては、ちょっと他の有名タイトルに比べると
見劣りする部分が多いクオリティと言えるでしょう。
特に、イベントシーンでフレームレートが安定せずカクカクとしたり、
テクスチャの表示が遅れたりするのはマイナス要因ですね。
また、一部の重要人物のポリゴンモデルが妙にショボかったりするのもちょっと…。
部隊員たちのグラフィックは良いのですが、もうちょっと表情が豊かだとなお良かったと思います。
ちなみに、ゲーム中のグラフィックはそれなりにきれいで、
中でも水面はかなりきれいな部類に入るのではないかと思います。
なお、↑の海外版動画ではゴア表現が盛りだくさんですが、日本語版はその辺は削除されてます。
ゴア表現は別になくてもいいんですが、
出血はしてくれないと命中したかどうかもわかんないんで、残しててほしかったですね…。
・サウンド
UBIジャパンのローカライズというと、音声のタイミングがずれていたり(GRAW2)、
声優のチョイスがグダグダだったり(PoP)と、どこかダメな所がある印象なのですが、
本作のローカライズはなかなかのものです。
隊長(プレイヤー)はもちろん、部隊員たちもいい声していて、
隊長「ジャスパー!あの機銃を片付けろぉーっ!」
隊員「了解!おい、聞いたな!」
とか、
隊員A「弾が切れた!援護してくれ!」
隊員B「早くしろよ!」
とか、ゲーム中に聞こえてくる音声がいい雰囲気を出していて、ニヤリとしてしまいます。
・物語
BiAシリーズを一言で言うと、
米ドラマ「Band of Brothers」をゲームにしたような感じ、と当初から言われてますが、
本作でもその精神は失われていません。
主人公である部隊長の持つ拳銃、それにまつわる記憶、秘密、
そして内包する意味を主軸とした物語は、かなり地味なものではあるのですが、
エンディングを迎えた時には、思わず「おおっ」と目を見開いてしまいました。
残念なのは、「to be continued」で終わってしまったことですが、
本作での物語を踏まえて、部隊がどうなっていくのかという展開は、素直に楽しみです。
ただ、惜しむらくはイベントシーンに字幕がないことで、登場人物の多さもあいまって、
ゲーム一巡目では物語を把握するのはけっこう難しい気がします。
実際、二巡目を始めたら、冒頭から伏線があちこちに貼られていて、
今頃びっくり、みたいなこともありましたし…。続編では字幕をつけてほしいですね。
・総評
ゲーム性の単調さ、イベントシーンでのフレームレートの不安定さなど、
満点をつけられるゲームでは決してないのですが、
物語を通して見えてくる、それぞれに特色のある部隊員たちへの愛着や、
WW2という舞台が持つ生々しさ、滑稽なまでの残酷さ、
それを乗り越えようとする熱意や、ある種の狂気の発露が、
本作に、単純にゲームの善し悪しというものとは別の愛情を抱かせる気がします。
もっとも、僕は元から戦争映画などを通じて、WW2ものに愛着を感じているので、
一般ユーザがこのゲームを楽しめるかどうかは微妙なところですが…。
個人的には、続編もぜひ買おう!と思わせてくれる佳作でした。
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